発泡スチロールをまるで芸術家のように彫刻するロボット – ギズモード・ジャパン

お見事です。

こちらの双腕ロボット、ワイヤーを器用に扱いながらうさぎの彫刻を作り上げているのですが、迷いのない手つきは機械というより芸術家のよう…。2本のアームの動きを合わせて発泡スチロールを削る電熱線を曲げたりゆがめたりすることで、3Dモデルの複雑な曲線の再現しています。

直線の電熱線を使っているスチロールカッターだと、発泡スチロールをまっすぐにしか切れません。曲線や有機的な形状を再現するにはまず大雑把にアウトラインを削り出してから、ヤスリや石目ヤスリなどのツールを使って精緻化して滑らかにする手法が求められます。ロボットを使えば効率よく処理できる作業ですが、スイス連邦工科大学チューリッヒ校コンピュータサイエンス学部のComputational Robotics Labの研究者らはこの手法をさらにアップデート。断面が直線に限定されないよう2本のロボットアームを一緒に動かすことにしたのです。

Video: Simon Duenser/YouTube

YuMi IRB 14000と名付けられたロボットには、7つの自由度で動かせるアームが2本ついていて、各グリッパーが「伸縮しない弾性の金属ワイヤー」の端を握っています。つまり電熱線を曲げたりゆがめたりはできても、伸ばせません。長さが変わらないという点が重要で、「RoboCut: Sizzling-wire Slicing with Robotic-controlled Versatile Rods」と題された論文に詳しく書かれているように、このアイデアが成功するには研究者らは2本のアームが動くうえでの電熱線の精確な形状を計算&モデル化できければならず、電熱線が不要かつ計画外に伸びてしまうとゆがんだ形状を精密に予測することはほぼ不可能になってしまうのです。

ロボットアームの動作を習得することと電熱線の極めて特殊な曲線を再現できようになること以外にも課題はありました。電熱線はある角度以上に曲げたりすると損傷してしまうので、研究者らは限界を見極めてからその範囲内でのカットの計画を立てる必要があったのです。上の動画で実演されたように、このテクニックを用いて有名な試験用モデルのスタンフォードうさぎを彫るなんて一発ではできません。まずは3Dモデルを分析して、特定の順序で発泡スチロールを取り払っていき、やがて動物の姿を披露する一連の曲線カットを計算するツールを開発する必要がありました。

そういった順序にはモデルの複雑さも考慮に入れなくてなりませんでした。うさぎの尻尾を切り出すためのカットでうっかり耳を切り落としてしまったわけではないのです。この研究は3Dプリンティングに対して、ユニークな減法的アプローチをとっていて、従来は加法的なプロセスで素材のレイヤーを積み重ねて作り上げるところを、ここでは3Dモデルを明らかにするため既存の素材ブロックが削られていきます。この手法は他の素材でもうまくいくのでしょうか? 発泡スチロールを彫るのはそれほど苦労しませんが、金属や石さらには木材であれば、大きな難題がもたらされるでしょう。電熱線のように曲げられるチェンソーの刃はまだ存在しませんからね。

とはいえ、絵を描くロボットもいますから、ロボットアームによる芸術フェアが開かれる日はそう遠くないのかもしれません。

Supply: Computational Robotics Lab, ETH Zurich, YouTube

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